緑師ワークショップ プロジェクト 2025
緑は生き物であり、街は常に変化します。だからこそ私たちは、日々の維持管理に加えて、緑の価値を地域と共有し、次の担い手へ手渡していく取り組みが欠かせないと考えています。
市川造園東京作業所では、都市の緑を守り育てるための意識や取り組みを、現場の外にも広げる取り組みを進めています。造園職人が培ってきた知識や技術、感性は、人と環境をつなぐ力として、これからの時代により必要とされるはずです。
その思いを実践するべく、私たちは独自の活動として「緑師プロジェクト※」を展開しています。
ワークショップや出張授業は、私たちにとって活動の場であると同時に、地域の皆さんと一緒に植物に触れ、学び、日本の自然と文化のつながりを確かめ、それを未来へ手渡していくための場でもあります。
今回は、2025年度に取り組んだ体験型ワークショップや学校での授業をご紹介します。
三鷹一中「職業人の話を聞く会」(25年9月)
三鷹市立第一中学校のキャリア教育授業「職業人の話を聞く会」に、弊社所長の栗原が講師として参加しました。造園の仕事を、剪定や植栽といった維持管理にとどまらず、空間づくりや地域の環境を支える役割として紹介。施工・生産・デザイン・まちづくり・樹木医など職能の広がりにも触れながら、環境の時代に造園業界が果たせる可能性をお伝えしました。質疑応答では仕事の工夫や将来像に関する質問が相次ぎ、次世代へ仕事を手渡す貴重な機会となりました。
緑師ワークショップ「藍の叩き染め体験」(25年9月)
自分たちで育てた蓼藍(たであい)の生葉を使い、木槌で叩いて葉の形と色をハンカチに写す「藍の叩き染め体験」を実施しました。色が変化していく過程に参加者も驚きながら制作を楽しみ、完成した作品には自然の模様が美しく浮かび上がりました。藍染めの歴史や植物の不思議にも触れる学びの時間となりました。
緑師ワークショップ「サシェづくり」(25年9月)
午後はサシェ(香り袋)づくりを実施しました。剪定枝や落ち葉など身近な植物素材を再利用し、ヒノキ・ユズ・ハーブ類などを小さく刻んで小袋に詰め、オリジナルの香り袋を制作。会場に広がる森林や柑橘の香りを楽しみながら、“みどりの循環”とサステナブルな視点に触れる機会となりました。
ミニ苔テラリウムワークショップ(25年11月)
11月に「ミニ苔テラリウム」ワークショップを開催しました。手のひらサイズの透明な容器に、ピンセットで数種類の苔や小石を配置し、土を入れて植え付けながら、自分だけの小さな景色をつくる体験です。石や苔の置き方を工夫する作業に参加者は熱心に取り組み、まるで庭づくりのように配置を吟味しながら制作を進めていました。完成品を覗き込むと、苔の庭をそのまま切り取ったような小さな景色が広がります。あわせて、苔が育つ環境やお世話のポイントも紹介し、小さな容器の中に息づく自然を感じながら、暮らしに寄り添う小さな緑を取り入れる時間となりました。
足立区立亀田小学校「みどりのじゅぎょう」(25年12月)
「つくってみよう お正月飾り」ワークショップ(25年12月)
ワークショップでは制作に入る前に、松・竹・稲穂など、お正月飾りに用いられる植物素材の意味や、自然への感謝と願いが込められてきた背景を簡単に紹介しました。その後、竹や松、南天、葉牡丹などの材料を用意し、緑師スタッフがサポートしながら、ミニ門松または竹一本を大胆に使ったお正月飾りのいずれかを選んで制作していただきました。参加者それぞれが素材の組み合わせや配置を工夫し、世界に一つのお正月飾りが完成。ものづくりの楽しさと日本の伝統文化の奥深さに触れていただく機会となりました。
(ご参加のみなさま、写真撮影へのご協力ありがとうございました)
これからの社会に求められる職人を目指して
私たち緑師プロジェクトでは、今回ご紹介したようなワークショップや教育活動を通じて、“みどりと人をつなぐ”役割を担うべく日々努めています。地域の皆さんと交流し、ともに学び合う中で、造園職人としての技と心を研ぎ澄ましながら、現代社会における新しい職人像を模索しているところです。こうした活動を継続しながら、これからの社会に求められる職人になれるよう頑張っていきます。今後も市川造園東京作業所の挑戦にぜひご期待ください。
- 著者
- 株式会社市川造園 東京作業所
- 作成
- 2026年2月
