" The Class of the Urban Green " 緑師出張授業
プロジェクト
緑師プロジェクトvol.06

植木屋さんが先生!
みどりのじゅぎょう

市川造園東京作業所では、「未来の都市生活をより豊かで持続的なものにするために、都市の緑の管理と啓蒙をになう造園職人」という新しい職能を「緑師」と名付けて、私たち職人が社会と直接繋がっていくことを目指した独自の活動「緑師プロジェクト」に取り組んでいます。

 

今回ご紹介するのは、足立区立亀田小学校からのご要望で実施した、私たち緑師による出張授業のプロジェクトです。

 

都市の緑をになう造園職人は、自然共生を目指すこれからの社会にとって、絶対的に必要な仕事です。

また人間の感性や手仕事が求められる、ロボットやAIには置き換えることのできない仕事です。

 

時代に求められ、そして人間らしい。

一生をかけて磨いていける、素晴らしい仕事だと思います。

 

そんな職業の魅力と都市の緑の意味や価値を、現代の子供達に伝えたい。

普段はあまり接点がない「植木屋さん」の仕事を知って、緑の大切さや面白さに気づいて欲しい。

そして、次の時代の緑の担い手として、都市と自然との関係を持続的に発展させていって欲しい。

 

そんな願いを込めて、足立区立亀田小学校の3年生の皆さんにお届けした、私たち緑師による特別講座、「植木屋さんが先生! みどりのじゅぎょう」です。

 

今回の授業では、剪定枝からつくった染液で草木染めに挑戦します。

懐かしい小学校の空気に浸りながら準備開始。
緑師を象徴する半纏もばっちり着込みます。

 ◆ 身近な緑のこと、知っているかな?

チャイムが鳴って、授業開始。

まずは、小学生のみなさんが日常の中でどれくらい緑を感じているか、知っているか、私たちはとても興味があります。

みなさんの知っている「街の緑」を教えてください!

お庭や街路樹、公園の木、そして校庭には桜の木がありますね!

小学校3年生のみなさん、60人くらいにお話しします。

クイズみたいに、楽しく!

問いかけるとすぐに大勢の手が上がり、競うように答えてくれる3年生のみなさん。

さて、桜の木の葉っぱはどれでしょう…?

葉っぱの写真から樹種を当てるクイズや、木の枝の年輪数え大会など、「緑」を身近に感じてもらえるような工夫を散りばめて授業を進めていきます。

 

植物が街中のどんなところで、どのように役に立っていると思う?

どんな意味があって、どんな想いで植えられているのかな。

身近に植物があると、どんな気持ちになるだろう…。

 

普段の授業とは違う「みどりのじゅぎょう」で、今まで気がつかなかった「緑」のことを知ってもらえたのではないでしょうか。

 

誰が一番早く手を上げられるか! みなさんの反応が嬉しいです。
年輪を数えると...みなさんより年上だね!

◆ 草木染めに挑戦!

植物は街の緑だけでなく、昔から私たちの生活にとても強く結びついています。

お茶や薬など体内に取り入れて健康をつくることもそうですが、衣服などの布を染めることもそのひとつ。

今回は植物の面白さや大切さを体感してもらうために、身近な植物の葉っぱや枝を使った草木染めに挑戦します!

私たちが用意したオリジナル草木染めキットを使って、いざチャレンジ!

 

布を輪ゴムで縛ります

ハンカチサイズの布を染液につけて染色します。

まずは布に模様ができるように、輪ゴムで縛っていきましょう。

強く縛るのがコツです。

どんな模様になるか楽しみですね!

どんな模様になるのかな。
強く縛れるように緑師スタッフがお手伝いします。
それぞれ布の折り方や縛り方を変えていますね。

染液につけて染色

この草木染めキットは、私たちの日々の仕事で出た剪定枝を利用した、緑師オリジナルです。

授業内で染液づくりをするのは大変なので、今回は私たちがあらかじめ用意しました。

この染液づくりに使った植物は15種類。ヤマボウシやキンモクセイ、斑入りマサキなどなど、街中のマンション緑地や公園にたくさん植えてある身近な樹種ばかりです。

材料の調達は簡単ですが、これを煮出して染液を作り、発色良く染まるように布に下拵えをするなど、色々な制作工程があります。

果たしてうまく染め上がるのか、私たちも少しドキドキです。

 

 

今回の染液につかった葉っぱ。みなさんの身近にあるものばかりです。
キット制作工程の試作写真です。うまくいきますように...。
染液は葉っぱのような緑色ではありません。
これでしばらくつけ置きします。
輪ゴムを外すと模様がうっすら...

草木染めの完成!

見事、染め上がりました!

みなさん、いっせいに布を広げて見せてくれます。

あたたかみのある自然な色合いに、それぞれ違う模様が現れました。

 

植物がつくった、やさしい色ですね!
予想通りの模様になったかな?
みんなそれぞれ違う模様になりました。

◆ 緑の意味、緑の仕事

自然共生を目指すこれからの時代では、子どもたちに生き物としての植物を教えることだけでなく、その植物が人間社会のなかでどのように利用されて私たちの生命を支えてくれているのか、人と植物の関係が時を経て文化となり、いかに私たちの暮らしを豊かにしてくれているのかを伝えることも、とても大切なことだと思います。

 

実は、街の「植木屋さん」は植物の世界と私たちの社会が両立できるように、その間を取り持つようなお仕事なのです。

 

街の緑と、それを担うお仕事、その両方の素晴らしさを少しでも多くの子どもたちに伝えられたら嬉しいです。

そして、たとえ植木屋さんではなくても、都市と自然との関係をつないでいく、そんな人になってくれたらと期待しています。

「植木屋さんが先生! みどりのじゅぎょう」 出張のご相談、承ります。
文・写真
株式会社市川造園 東京作業所
実施
2023年7月14日
足立区立亀田小学校にて